『邪神ちゃんドロップキック』とは…
『邪神ちゃんドロップキック』とは…
■「大都会東京…。この世界の片隅に…、今日も悲喜こもごものドラマが繰り広げられている…」
東京古本屋街、神保町。そこから少し離れた場所に、そのアパートはあった。
■アパートの一室では、天使の「ぺこら」曰く「魔女花園ゆりね主催のサバト」“すき焼きパーティ”が開かれようとしていた。
悪魔「邪神ちゃん」が牛脂をひきネギを焼く。ネギの香りが部屋に充満したとき、さっと軽く焼かれる牛肉の両面。
そして、特製の割りしたがいま!
立ち上る湯気と食欲をそそる音は、部屋の主「花園ゆりね」、
「メデューサ」、「ミノス」、さらに天使の「ぺこら」を魅了する、
邪神ちゃん特製割り下で仕上げるすき焼き…。
楽しくあるべき食卓。
だが、「邪神ちゃん」の横暴がはじまるとき、それは一変する。 !?
スーパー!ハイテンション!プリティ!バイオレンス!新感覚ゲスかわ邪神コメディ!?
登場人物紹介
■邪神ちゃん(じゃしんちゃん)- 鈴木愛奈
ゆりねが偶々入手した魔法書(上巻)によって召喚されたが、帰還させる魔法が未所持の下巻の方に書いてあったせいで魔界に帰れなくなってしまう。 「呼び出した術者が死ねば自動的に契約が切れて魔界に帰れる」と称してその場でゆりねに襲い掛かるが、返り討ちを喰らってしまい、その後家事をすることと引き換えに帰る方法が見つかるまでゆりねのアパートに居候することになった。
魔界の貴族の娘でお嬢様であり、語尾に「ですの」とつけて喋るなど清楚なキャラを装っているが、興奮すると口調ともどもヤンキー女学生のような地がすぐに出る。基本的には自分より弱いものに対して尊大な態度を取り、いじめや嫌がらせ、食料の強奪を平然と行う。
逆に自分より強い者には及び腰になったりなど、ゆりねからは「クズ」と称されるほどの外道な性格。
魔界に帰る事を諦めておらず、隙を見ては様々な手段でゆりねを殺そうとしているが本人が抜けていたり詰めが甘かったりするのが原因で悉く失敗に終わっており、その度に彼女から凄惨なお仕置きを受けている。
本人は「役に立たない」と断じているが「サイコロで思い通りの目を出す事が出来る」特殊能力を持っている。
■花園 ゆりね(はなぞの ゆりね)- 大森日雅
邪神ちゃんを召喚した女子大生。オカルトとホラー映画が好き。中二病的なファッションで左目に眼帯を付けゴスロリ衣装に身を包んでいる。
御茶ノ水駅付近に存在するキメラ大学に通っている。
興味本位で邪神ちゃんを召喚したが、帰す方法が分からなかった為に居つかれてしまった。自分を殺そうと襲い掛かって来た悪魔(邪神ちゃん)を返り討ちにした上、その後も人間ならば死んでいるレベルの「お仕置き」を平然と繰り返すなど、サディスティックで型破りな性格の持ち主。
貧乳である事にコンプレックスを持っており、邪神ちゃんに指摘された際はスープレックスで制裁している。 人から指を差されることを異常に嫌っており、邪神ちゃんがうっかり差してしまった場合は、指をへし折られたり刃物で体を貫通されたりと、毎度散々な目に合わされている。
「武蔵野線の姉妹」のパンドラとは友人であり、彼女のアルバイト先である元メイド喫茶の喫茶店「姫武者」でアルバイトをしている。
■メデューサ - 久保田未夢
邪神ちゃんの親友である悪魔で、古代エジプトの女王のような衣装を着た美少女。
人間を石化させる性質を持っているため、人間界に来るときは紙袋を被っている。
悪魔らしからぬ気弱で心優しい性格をしており、幼少の頃から邪神ちゃんに引っ張りまわされたり、金を無心されたりしているが、「(邪神ちゃんは)私がいないとダメだから」と、ヒモ男に尽くす女性のようにそれを受け入れており、その光景はゆりねからは「一見ハッピーエンドに見えるが、実際は邪神ちゃんのクズを加速させている」と認識されている。
好物は砂糖入り麦茶。
基本的に邪神ちゃんの要望には逆らわないが、本気で怒った時には無表情で敬語で説教する「敬語モード」になる。
■ぺこら - 小坂井祐莉絵
悪魔狩りを生業とする天使。邪神ちゃんを退治しようとするが、力の源たる天使の輪を紛失したために失敗に終わり、その後は人間界でホームレス生活をする羽目になった。
真面目だが要領の悪い性格をしている上に不幸体質の持ち主であり、邪神ちゃんには度々イジめられたり、からかわれたりという憂き目に合っている。 見た目は中学生くらいの少女だが、ギョロ眼で陰気そうな顔立ちに加えて、生活苦からのやつれで人相が悪くなっており、邪神ちゃんよりも天使と思ってもらえない。
邪神ちゃんから仲間としての意味合いまたは皮肉なのか、「堕天使」呼ばわりされている。
天使の輪は「武蔵野線の姉妹」の登場人物であるパンドラと由良によってゴミ捨て場に捨てられている。
■ミノス - 小見川千明
ミノタウロス族の一員である女悪魔で、 邪神ちゃんの友人。牛のイメージ通り、角があり力持ちでグラマラスな体型をしている美少女。
快活で、あまり深く物事を考えない性格。「ビーフ100%」という文字が書かれたシャツを着用している。
魔界に帰れなくなった邪神ちゃんを会う為に数百年振りに人間界に来訪し、何度か遊びに来る内に人間界を気に入りゆりねの隣室に引っ越して来た。
メデューサとは違い、邪神ちゃんに対する態度は極めてドライであり、ゆりねにボコボコにされていても平然と傍観している上に、むしろゆりねの味方をすることの方が多い。
■ぽぽろん - 佐々木李子
ぺこらの元部下である天使。ゆるふわ系の外見とは裏腹に、腹黒い性格の持ち主。
ぺこらのことは「様」付けで呼びつつも、真面目すぎる性格には嫌気と呆れたような様子を見せており、要領の悪い彼女のことをバカにしている。
自分にとって得にならないことは人助けであろうとしようとはせず、都合が悪くなるとへつらおうとしたり逃げ出そうとしたりする卑怯かつ狡猾な一面も持っている。
ぺこらを始末しに来たが、ぺこらに差し入れとして持ってきた邪神ちゃんにボコボコにされた挙句、ガムテープで簀巻きにされて海へと放り投げられた。 邪神ちゃんを再び奇襲するも、天使の輪を食べられて力を失ったため退却。
輪が再生するまで、人間界のラーメン屋「創世記」で住み込みで働きながら芸能活動をして生計を立てている。芸名は天使のえる。
■ペルセポネ2世 - 飯田里穂
人間界における、ミノスの同居人である悪魔。邪神ちゃん達の恩師、ペルセポネの娘で冥界の王、ハーデスを父に持つ。
邪神ちゃん以上のドロップキックの使い手であるが、極度の虚弱な体質の持ち主で、作中では頻繁に吐血し、ドロップキックを繰り出した後に脚を骨折するほど。
ぽぽろんと友達になり、まっすぐな優しさで少しずつ彼女の心を溶かしている。
大人しいが、邪神ちゃんのからかいに対して的確な言葉で屹然と接する一面を持っている。